ペンシルロケットの種類

ペンシルロケットにはいくつかの種類があります。 全長23cmのものは 「標準型」 とよばれています。標準型の中にも、以下のような違いがあります。

推薬の量
長さが120㎜:「Full」 半量の60㎜:「Half」
先端部分の着脱
3ピースは「3」
着脱できる
2ピースは「2」
着脱できない
尾翼の取付角
0度は「0」 2.5度は「2」 5度は「5」
先端部分の材質
鉄は「S」 ジュラルミンは「D」 真鍮は「B」

「Full-25D」は、推薬の量がFull(長さが120㎜)、先端部分が着脱できない2ピース、尾翼角は5度、先端部分の材質はジュラルミンということになります。

全長23cmの「標準型」の他に、全長30cmの「ペンシル300」や下段にブースターをつけた「2段式ペンシル」、ブースターを3つ束ねた「クラスターペンシル」などがあります。

参考サイト
JAXA宇宙科学研究所「ペンシルロケット実機の鑑定結果を日本天文学会で発表」
http://www.isas.jaxa.jp/j/topics/topics/2013/0319.shtml

2015年4月に発射60周年を機に国分寺に里帰りしたペンシルロケット

標準型ペンシル

(1)ペンシルロケットHalf-30S
国分寺での実験記録の残る飛翔番号23(1955年4月18日14:36実射)の機体。尾翼に黒字で横向きに「23」「上」、赤字で「5」の文字あり。東京大学から運び込まれた鉄くずのなかから発見された。
(個人蔵)

(2)ペンシルロケットHalf-30S
尾翼に黒字で「6」、赤字で「PK」の文字あり。東京大学から運び込まれた鉄くずのなかから発見された。機体の特徴は飛翔番号23、26のものと酷似するが、国分寺での実験記録の残る翔番号6(1955年4月12日15:05実射)の機体はFull-30Sのはずなので別物と思われる。尾翼の数字の向きも異なる。
(国立科学博物館蔵)

(3)ペンシルロケットHalf-30S
国分寺での実験記録の残る飛翔番号26(1955年4月19日11:22実射)の機体。尾翼に黒字で横向きに「26」「上」、赤字で「6」の文字あり。東京大学から運び込まれた鉄くずのなかから発見された。
(個人蔵)

(4)ペンシルロケットHalf-30S
尾翼に赤字で「20」の文字あり。
(個人蔵)

(5)ペンシルロケットFull-30S
ペンシル実験終了後、高速度カメラ映像の検討用に残された。
(個人蔵)

(6)ペンシルロケットFull-30S
敷地が広く、西側に隣接して国立高層気象台本庄出張所があったことから、1956年に本庄西小学校の校庭でロックーン(気球から打ち上げる方式のロケット)の予備実験が行われた。実験の成功を記念して、国立高層気象台本庄出張所の中島正一所長が糸川英夫博士より譲り受けたペンシルロケットが、理科教育振興のために本庄西小学校に寄贈された。
(本庄市立本庄西小学校蔵)

(7)ペンシルロケット尾翼
先端と燃焼室部分はレプリカ。ノズルの燃焼室側には、燃料がノズルに詰まるのを避けるためにFull仕様の後期型の機体に採用された燃料押さえ板(実物)が入っている。
(個人蔵)

(8)ペンシルロケット尾翼
Full用、尾翼角0度。ノーズとチェンバー部は木製で、後に補われたもの。
(寄贈)

(9)ペンシルロケットHalf-20D
今上天皇が皇太子の頃に、当時文部省宇宙科学研究所教授であった松尾弘毅氏が東宮御所でご進講をした際に用いられた。
(個人蔵)

(10)ペンシルロケットFull-20D
尾翼の取り付け方が他の実機と異なる。ノズル内を黄色に塗装済み。
(個人蔵)

(11)ペンシルロケットFull-25D
ノズル着脱可。燃料押さえは入っていない。燃焼室はきれい。東大工学部火薬学科教授の山本祐徳氏が火薬の量の確認のために実験室で砂袋に打ち込んだものらしい。尾翼に薄く黒字で横向きに「35」の文字あり。
(個人蔵)

(12)ペンシルロケットFull-25D
野口聡一宇宙飛行士とともにスペースシャトルSTS-114で地球を周回した。「開運!なんでも鑑定団」(2007年9月25日放送分)に出品され、1300万円(宇宙へ行った価値が1000万円、ペンシルロケット現物としての価値が300万円)の評価額がついた。
(IHIエアロスペース 富岡事業所蔵)

(13)ペンシルロケットFull-25D
尾翼筒が中途半端にねじ込まれた状態で表面がめっきされている。
(JAXA 内之浦宇宙空間観測所蔵)

その他のペンシル

(14)ペンシル300
長さ300mm、直径18mm。飛翔経路を見やすくするために先端部分に発煙剤である四塩化チタン(TiCl4)を封入できるようになっている。
(個人蔵)

(15)2段式ペンシル
風洞試験に用いられたもの。1段目は実機。2段目は尾翼以外はレプリカ。
(個人蔵)

(16)2段式ペンシル
長さ275mmのメイン・ロケットと長さ203mmのブースター・ロケットを組み合わせた全長460mmの2段ロケット。
(個人蔵)

(17)クラスター式ペンシル
燃焼室を3つ束ねたクラスター式ペンシルロケット。実射されることはなかった。
(個人蔵)